犬のワクチン接種でお悩みの皆様へ

世界小動物獣医師会(WSAVA)ワクチネーションガイドライン
犬のまとめ

コアワクチン

  • すべての犬に接種
  • 成犬は3年以上は接種間隔をあける(「3年ごと」ではありません)
  • 成犬は毎年のワクチン接種ではなく抗体検査(ガイドラインでは「血清学的検査」と呼んでいます)を推奨
  • 狂犬病は法律に定められている場合はコアワクチンです。各国の法律に従ってください(日本では毎年の接種が義務付けられています)

ノンコアワクチン

  • レプトスピラ、パラインフルエンザウイルスなど
  • 成犬は必要に応じて毎年接種
  • 抗体検査はしません

犬用ワクチチェックは、犬の血清、血漿又は全血中のCDV*、
CAV* 及びCPV*に対する各IgG抗体の検出を目的とした
動物用医薬品 体外診断用医薬品です。

犬用ワクチチェックと検査。より詳しく知りたい方へ

犬用ワクチチェックと検査。より詳しく知りたい方へ

  • 検査結果が数字(抗体価)で出たほうが安心?

    コアワクチンの抗体は一定数以上あれば免疫防御能(免疫力)は変わりません。
    免疫のある・なしだけで十分な判定が可能です。

  • 子犬の時期に検査をする意味はあるの?

    母親からもらった抗体(免疫力)はだいたい16週齢(4か月齢)頃までには少なくなり、 ワクチンが効くようになります。
    これ以前の生まれたばかりの子犬の時期に検査をすることは科学的には意味があります。
    しかし、母親からもらった免疫力がどれくらい長持ちするかは きょうだい であってもバラバラです。
    そのため厳密に調べるのであれば非常に短い間隔で検査をする必要があります。
    これは多くのお金がかかるので現実的ではありません。
    子犬の時期の抗体価によっていつ頃ワクチンが効くのか、どれくらいの抗体価があれば子犬でも免疫力が あるかを予測することは現在の科学では不可能であることにご注意ください。
    (参照:WSAVA 犬と猫のワクチネーションガイドライン 2015年版 日本語訳 P.1)

  • 他の検査と一致するの?

    犬用ワクチチェックは世界的な基準値(註1)との相関性(一致すること)が確認されています。
    前述のガイドラインでも紹介されている(註2)ほど世界的に認められた製品で、 そのため日本国内でも動物用医薬品 体外診断用医薬品としての認可が取れました。
    海外では論文でも取り上げられています(註3)。
    ワクチンの抗体価はほとんど全て以下の基準を採用して論文が描かれています。
    検査をご利用される場合にはこれらの基準値との相関性などを十分にご考慮ください。

    (註1)

    ウイルス名 検査名 基準値
    ジステンパーウイルス ウイルス中和試験(VN試験) 32倍
    アデノウイルス ウイルス中和試験(VN試験) 16倍
    パルボウイルス 赤血球凝集抑制試験(HI試験) 80倍

    註2. 「2つの市販検査キットが入手可能であり、診療の場やシェルター環境で適用され、検証されている」
    WSAVA 犬と猫のワクチネーションガイドライン 2015年版 日本語訳 P.9
    註3. ‘Long-lived immunity to canine core vaccine antigens in UK dogs as assessed by an in-practice test kit’ KILLEY, R. ほか
    Journal of Small Animal Practice DOI:10.1111/jsap.12775 2017 など多数

  • 毎年接種しないとワクチン接種率が下がるから病気を予防できないのでは?

    近年発生が話題になっている麻疹(はしか)の場合を考えてみましょう。
    様々な機関の説明では、病気にかかったことがない人、ワクチンを1回しか接種していない人に 感染のリスクがある旨の警鐘を鳴らしています。しかし麻疹(はしか)拡大を防ぐためにワクチンを あらゆる人が毎年接種するという見解は示されていません。
    前置きが長くなりました。これを犬に当てはめてみましょう。犬のワクチンの中には 麻疹(はしか)のように怖い病気のためワクチン接種を確実に行う必要がある病気もあります。
    しかしその病気の中には抗体(免疫)が長持ちするものも多くあります。
    犬のコアワクチンで予防できる病気は麻疹(はしか)と同じように毎年接種しても「接種率」が あがることにはなりません。病気拡大のリスクをできるだけ下げるためにも、 ワクチン接種を一度もしていない犬を見たら必ず接種を受けるように強く推奨してください。
    その代わり無条件に毎年接種する必要はありません。